お伊勢さんに行くと、風物詩のように「赤福餅」を
食べる人って多いと思うんです。
赤福餅はご存知の通り、伊勢神宮にあるのが本店。
赤福餅って、でも最近じゃ主要の駅に行くと、
結構どこでも売ってますよね。
それでも、伊勢神宮での売れ行きは落ちていないらしい。
赤福餅がどこでも買えるようになっても、お伊勢さんで売れてしまう理由とは?
実はここに物販の大きなヒントが隠されています。
■赤福餅自体もおいしいけど、お伊勢さんで赤福餅を買う人は赤福餅を買っているのではない
もちろん、年間120億円もの売り上げをほこる赤福餅なので、
商品自体は言うまでもなくおいしいわね。
私も大好きです。
でも、結局赤福餅って「赤福餅がおいしい」から買ってるのは
前提として、人々はそれだけを買っているんじゃないんだわ。
そうじゃないと、今じゃ地元の駅とかでも買える赤福餅を、
わざわざお伊勢さんで買わないもの。
でも、人々は買うんだわ。
なぜだと思う?
それは、
人々は「伊勢神宮に行って、赤福餅を買ったという体験まるごと」を
買っているからなの。
最近いろいろとささやかれてる「体験型消費」ってやつよ!
実は、年間120億円も売り上げてる赤福餅だけど、
・伊勢神宮のおひざ元でず~~~~っと昔から親しまれてきたお餅
っていうストーリーとブラディングによって、
・伊勢神宮に行ったら、買わなきゃ!!!という購買意欲を誘ってる
・だから人々は、赤福餅がどこで買えるようになっても、
「伊勢神宮で赤福餅を買うことそれ自体」を買うの。
・だから、どこで赤福餅を売ろうとも、お伊勢さんでの赤福餅の売り上げは落ちない
ってわけ!
■安売り合戦に巻き込まれたくないなら、とにかくコンセプトとブランディングと体験型消費
そう。この赤福餅を見てると、「モノが売れない時代にモノを売るヒント」
が見えてきます。
中小企業の物販系の会社に行くと、
「モノが売れない」「モノが売れない」
「安売りしないと売れない」って、
これも呪文のように唱えてるわけ。
「デフレだデフレだ」
なんか本当に不吉な「思い込み呪文」。
どこが思い込みかというと、
売れてるところは売れてるんだよね~
安売りしなくても。
デフレ→安売りしないと売れない→モノが売れない
→あれ・・・でも売れてるところは売れてる・・・
ということはやっぱり思い込みなわけです。
こんな時代に、安売りしなくてもモノが売れてる会社はいったい何をやってるんでしょう?
そう。
赤福餅と同じで、
こんな時代でも、安売りせずしっかりと売り上げが立っているところは、
全部「体験型消費」ニーズを拾ってます。
物が売れないのも、安売りしないと売れないのも、
全部思い込みがそうさせてると私は思います。
だって、安売りしなくても売れてるところはたくさんあるんだから!
その人たちにできて、なぜできない人がいるわけ?
って思いません?
結局、赤福餅もそうなんだけど、
その商品のコンセプトとブランディングがしっかりしてるのよ。
実はね、コンセプトとブランディングがしっかりしてたら、
消費者って勝手に体験型消費してくれる。
なぜかというと、
コンセプトとブランディングがしっかりしていれば、
その商品を買うことそれ自体が体験になってしまうから。
つまり、
そのコンセプトとブランディングに共感した自分がそれを
買うことで、その世界観を疑似体験してるんじゃないかな~と思います。
実は「思い込み呪文」がささやかれてる昨今でも、
「いや、俺売れてますけど?w」っていう人は、
そこがしっかりとわかってるんだと思うなぁ。
そうすると、
やっぱり広告かよ!!!!!
っていうまた思い込み呪文が聞こえてきそうだけど、
それは否定しない。
だって、どんなビジネスも新規をとり続けないといずれ絶対衰退するから。
でも、広告予算が限られてる企業とかでも、
コンセプトとブランディングがしっかりしてたら、
そこまで広告かけなくても広がってくれるのが今。
そう!SNS。口コミ。
でも、これも結局使い方を知っていないとスベるだけ。
「やっぱSNSだよね~」って口々に人は言ってますけど、
それ、本当にわかって言ってる??
って私は思うなぁ。
さっきも言いましたけど、
コンセプトとブランディングがしっかりしてれば、
消費者は勝手に体験型消費してくれる。
SNS!!!!!とかきばっても、
結局商品にコンセプトとブランディングがないと、
意味がないのよ。
無駄にSNS運用会社にコスト払ってたり、広告運用者が予算を食いつぶすだけ。
SNSはある意味「自己顕示欲昇華装置」なわけです。
「私、こんな生活してる!」
「私、こんな商品知ってる!」
「私、こんな体験しました!(どう?いいでしょ?)」
そこで人々が拡散してくれるほどのコンセプトとブランディングを
設置しておかないと、SNSを使ったところで意味がないということです。
モノが売れないなら、まず商品のコンセプトの設定とブランディング。
これをまずやるべき。
SNSなんて後回し後回し。
コンセプトとブランディングさえしっかりしてれば、そのうち
誰かが絶対勝手に反応してくれるから。
んで、勝手に拡散してくれるんだから!!!
赤福餅の誕生は、いまからおよそ300年前の宝永四年(1707年)。
赤福餅は、お餅の上にこし餡(あん)をのせた餅菓子です。形は伊勢神宮神域を流れる五十鈴川のせせらぎをかたどり、餡につけた三筋の形は清流、白いお餅は川底の小石を表しています。名は「赤心慶福(せきしんけいふく)」の言葉から二文字いただき、「赤福」と名付けたと言い伝えられております。
これがしっかりと人々に伝わってるから、みなさん買うわけです。
そして、伊勢神宮に来たお客さんはある種勝手に体験型消費してくれるんです。
伊勢神宮で赤福餅を買うことで、赤福餅のコンセプトとブランディングを疑似体験できるからこそ、
「あ、伊勢神宮来たんだし、やっぱり赤福でしょ!!」ってなるわけなんだなー
って思いました。
本日のお読みいただきありがとうございました。