今、話題になってる「単数形のthey」ですけど、
言語っていうのは常に変化していて、社会の流れに1歩遅れて言語にも影響を及ぼしてきます。
search for~「~を探す」が「google someone」にとってかわられるように、
言語というのは、社会のスタンダードに合わせてドンドン変化していっています。
日本語で言うと「全然~ない(否定語)」という使い方はもはや「全然(否定も肯定もOK)」となっていたり。「全然いけますよ!」って普通に使ってるでしょ?みんな。
これは「自己主張を強く!」という日本社会の流れがスタンダードになり言語に影響を与えている一例です。
まぁそれは置いておいて、まさにこの「単数形のthey」は男女二分法、ジェンダーフラット化の現在進行形を如実に表していますね。
「国家に性別を決定されない未来」でも書きましたけど↓
「男女」という男女二分法の概念は崩壊している途中です。
ついにそれが言語領域にも浸透しはじめましたね。
まだ信じれない方も、そろそろ「当然訪れる男女のない未来」を現実的に想像してみてもいいかもよ?
- 「あの方は」を表す he / she はもう古くない?theyも3人称単数で使っちゃえばいいじゃん!という「単数形のthey」が登場
- 単数形のthey出現は何ら驚くことではない。言語など秒単位で変化する生き物だ。
- 単数形のtheyの出現は、フラット化する未来に進む世界の小さな現象の1つにすぎない
「あの方は」を表す he / she はもう古くない?theyも3人称単数で使っちゃえばいいじゃん!という「単数形のthey」が登場
この単数形のtheyという言語の背景を少し説明しておきます。
theyという単語はもともと複数形で「彼ら・彼女ら」という意味で用いられていました。3人称の複数形の主語となる単語ですね。
しかしこのtheyが単数形としても用いられはじめているのです。
そう、he/sheの代わりとなる3人称単数形の単語として。
こうなったわけです↓
これまで | →→→→→ | これから |
they | 3人称複数 | they |
he/she | 3人称単数 | he/she they (theyも加えちゃおうぜ!っていうか、こっちを使っていこうぜ!!) |
要は、he/sheだけでなくtheyも3人称「単数」の主語として用いましょう!ってことです。
理由は簡単です。
これまでの「あの方は」という3人称単数を表す言語は、男性にはhe、女性にはsheという言語しかなかったのですが、
男女なんてどうでもいい!トランスジェンダーに対する適当な指示語がわからない!という背景のもと、「theyも3人称単数で使っちゃっていいじゃん!」となったのですよ。3人称を表す言語の概念から「男か女かどうか」という概念を抜いてしまおう!っていう感じですね。
たとえば、「こころは女性、生物学上男性のトランスジェンダー」に「he」という三人称を用いるだけで、そのトランスジェンダーは深く傷つきます。「私は女性なのに・・・なぜsheじゃなくて、heなの・・・!?」と。
あるいは、「男でも女でもない」xジェンダーの人にとって、he/sheしか三人称単数を表す言語がないのは非常に生きにくいわけですよ。
男女二分法から抜け出してきている私たちの社会にとって、「男女二分法」をひきづったままのhe/sheみたいな言語はもう時代錯誤になってきてるってわけ。
だったらもう、theyでいいじゃん!っていう。
そこに男女のフィルターを通す必要なんてないし、男か女かで表現が変わる必要性もないよね!っていう話になってるわけですよ。
スチュワーデス(女性を表す客室乗務員)→キャビンアテンダント(男女ともに表す客室乗務員)
看護婦(女性を表す病人を看護する役職の人)→看護師(男女ともに病人を看護する役職の人)・・・
別に単数形のtheyが特別なわけではなく、社会はドンドン男女フラット化、ジェンダーレス化、ジェンダーフリー化してきているわけですよ。その一連の動きの1つにすぎません。
性別欄に男女がなくなってる事象、制服に男女差がなくなっている事象、
国家に与えられる性別に疑問がわいている社会…
こういう社会のスタンダードの変化が言語に影響を与えているわけです。それが今回の単数形のtheyの出現なのです♡
単数形のthey出現は何ら驚くことではない。言語など秒単位で変化する生き物だ。
この単数形のtheyの出現は別に、何ら不思議なことはないし、これまでもそうやって言語は変化してきました。
ちなみに、この「they」だって元々2人称「you」の複数形だったんですけど、
「you」が2人称複数形「あなたたち」も2人称単数形「あなた」も併用するかたちになってなくなってるだけですからね?w
みんながよく使ってる「goodbye」だって元々は、
god be with ya「あなたに神の御加護がありますように」
→god-b-ya→goodbye「ばいばーい!」ってなってるんだから!
言語は生き物なんですよ。
生き物である私たちhuman beingsが円滑にコミュニケーションするためのツールなんですから。その中には、時代ごとに変化し続ける、文化、スタンダードの名残が乗っかっちゃうわけです。
単数形のtheyの出現は、フラット化する未来に進む世界の小さな現象の1つにすぎない
世界はドンドンフラット化しているし、どんどんどんどん1つになっていっています。
今ある「差異=アービトラージ=gap」を生み出している概念もすべていずれ崩壊していきます。
資本主義もそう、国民国家もそう、もちろん男女もそう、通貨もそう・・・
何もかもがフラットになり、1つになっていっているのです。
実はそれは現在進行形で進んでいるので、現実には「国家がない未来」「資本主義の崩壊した未来」もあなたは想像もつかないかもしれないけれど、
スタンダードというのは音もたてずに変化して、気づいたらそうなってます。
写真機がアイフォンに変わったように。
ジーンズが労働者の衣服からおしゃ着に変わったように。
男性同士や女性同士が結婚式をあげる景色が普通に目に映るようになってきているように。
この単数形のtheyも、本当にそのフラット化していく世界の現在進行形のほんの1つの事象にしかすぎません。男女二分法崩壊の鐘の音が私にはもう数年前から聞こえているし、私の目にはその未来が見えます♡
男?女?古いよ、そんなの。
人間。
あなた。
日本人?アメリカ人?古いよ、そんなの。
人間。
あなた。
サラリーマン?社長?古いよ、そんなの。
人間。
あなた。
あなたという生き物。
あなたという主人公。
アイデンティティーは、あなた。
それが今私たちが普通に「日本人です」っていう感じで、
「人によって全然ちがうあなたというアイデンティティーを普通に述べる」時代がやってきています。
今日から、「あの方は」というときの英単語は「they」です。
あ、まだ受験英語では使っちゃいけないかもよww
あ、「受験英語」とかいう古臭いのも崩壊するでしょうね。
教師も、学校も、なくなるでしょう。でもそれはもう少し先だから・・・
とりあえず、↓さえ伸ばしてれば、楽しく生きていけるわよ、ここから先数十年は♡
私だってそうでしょ?
男か女かよくわからない生き物。
私のことをいうときに「they」って使っておけば便利っしょ?w
本日はここまで!
じゃあねー!ばいばい!